カール・アーバンインタビュー ーその素顔と大望
By Ian Apperley
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大変なのと簡単なのと、どっちの質問からいこうか?
いっちばん大変なのから!
多くの人々がトールキンの3部作にはメッセージが隠されていると言っています。反戦とか反工業化とか。
貴方にとってのこの作品に込められたトールキンからのメッセージは何でした?
そこにあるメッセージは何か一つの大きなものがあるとは思わないな。僕はそこには沢山のメッセージや
理想、考えなどがあると思う。まず第一に僕が感じたのは根源的な環境破壊だよ。今日の社会、特にある
大きな外国政府のある理念に、それは一部あてはまると思うんだ。それから大きな意味での利他主義に感
じるものがあったよ。僕は仲間達の繋がりや忠誠が何をもたらすかについて描いたトールキンを尊敬して
いる。究極のところ、そこに行きつくと思うんだ。アラゴルン、レゴラス、ギムリは彼等の友人を救うと
いう殆ど可能性のない、チャンスのない目的の為に何日も何日も何日も走り続ける。オークの方が圧倒的
に数が多いというのに。それこそが大きな意味でトールキンの描きたかったの忠誠、利他主義、そして友
情ってものじゃないかな。
ピーター・ジャクソンと一緒に仕事をするのはどうでした?
素晴らしい、その一言に尽きるね。彼は自身の技術を完璧にコントロールできる監督なんだ。彼は僕がこ
れまでに一緒に仕事が出来て嬉しかった監督達の中で一番、天与の才を持った監督なんだ。彼は本当に天
才的で、そして純粋な男なんだよ。彼はそう・・・そう、一つの道筋なんだ。他の多くのニュージーラン
ド出身の監督達がそれに相応しい段階に達した時、ロサンジェルスやロンドンに自分の作品を作りに行っ
てしまったけれど、ピーターはそれをしなかった。その事に僕はただただ感嘆して、彼を尊敬するばかり
だ。彼はハリウッドをウェリントンに持ち込む勇気と粘り強さを持っていた。ウェリントンはこの偉大な
出来事を永遠に讃えていくべきだと思うね。
(補足:道筋と訳した原文にはClueyという単語がありますが、この単語、どうも誤植らしくClueの意味
で訳しています。カナダ人の知人にまで聞いて、更にyayoiさんはオーストラリアの方言まであたってくれ
たのですが、該当なしでした。尚、PJがした事によってNZの映画産業が受ける恩恵という意味で、所謂一
つの道を作ったと言いたかったのではないかと推測しています)
貴方の好きな俳優、または女優は誰?
おっと、難しい質問だな。知っての通り、その時々で沢山いるから。"Get Carter"の1974年版の
Michael Caine。Roger Houstonの"The Man Who Would Be King"のMichael CaineとSean Connery
も好きだ。"Queen Margot"に出演しているフランス人俳優のJean-Huges Anglade。彼は"Betty Blue"
にも出ているな。それからViggo Mortensen。これは疑問の余地なんかなく、僕は彼からこれまでで一番
多くの事を学んだのさ。
あ、そのネタを続けさせて欲しいな。沢山の人達が、Viggoは110%、役になりきっていたって言って
るけど・・・
その通り。Viggoが目的を達成できないなんてあり得ないんだ。彼は彼自身を最も困難な場面を通じて役
の中に溶け込ませ、その境遇に挑戦していくんだ。彼はどのハリウッド俳優とも違う。事実、彼はハリウッ
ド俳優じゃあない。彼がずっと長い事辺縁の地位に甘んじていたという事実は、彼自身が選んでそうして
きたのさ。僕は心の底から彼を尊敬しているし、彼みたいな高潔な、そして君も知っている通り、トール
キンが書いたような利他的な題目を具現してしまうような俳優と一緒に仕事できたなんて、素晴らしい仕
事だったよ。
ロード・オブ・ザ・リングの後は?
いい質問だね。出世って意味から答えるのはとても難しいよ。確実に言える事は、これまでしてきたどの
仕事よりも、今回の仕事で沢山の注目を浴びる事になったって事だけだ。僕が今回の仕事で知り合うこと
ができた人達のように才能のある人達と一緒にこの仕事を続けていくことができるといいと思っているよ。
もしそれがニュージーランドで出来るのなら素晴らしいんだけど。そしてもしそれが海外にあるというの
なら、僕はその仕事がある所に行くよ。今は丁度色んな募集を調べて、僕が誰と一緒に仕事をしたいのか
を決めて、そしてその機会を得ていこうとするという方向になっていくだろうね。
俳優になりたいと思っている若い愛すべき後輩達へのアドバイスは何かありますか?
一番大事な要素は、自分自身を知る事だって言いたいね。自分の能力を探るんだ。もし働いていないのな
ら、これからしたい仕事の為にお金を使う。演技のクラスに通う。常に自分の技を磨いて、研ぎ上げる。
壁につきあたった時に自身を助ける手立てとして、自分自身に投資するんだ。その壁を越えたら驀進ある
のみ!僕はドラマの学校には行かなかった。僕はそれを、12年間の血の滲むような辛い仕事の下積みか
ら得た。ニュージーランドの凄い所は、全分野の全く違うメディアで働く機会が得られる事だよ。映画、
テレビ、そして劇場。僕はステージマネージャーから始めて、お茶汲みからファンを得るまでの道を這い
上がっていった。これは本当に重要な事なんだけど、もしも君の前に壁が立ちふさがっているのを知った
ら、もし返事をしたくないような人がいたとしたら、そこには君が見ることが出来ない誰かがいるんだ。
そうしたら君は回り道をすればいい。それを越える、下をかいくぐる、迂回する、通り抜ける、その扉を
抜ける手段を講じるんだ。自らの行動が唯一、僕らが持っている限界なのさ。